契約書は、①当事者間の行為の基準となる、②紛争を予防する、③紛争となった場合の解決基準となる、といった意義を達成するために締結するものですから、そのためにはいかなる種類の契約書であっても最低限、以下の点をまずチェックする必要があります。

 

１　形式的観点から

・契約書として耐え得るスタイルになっていますか？

・用語の使い方

→契約書全体で統一されていますか？

一義的に内容が分かるようになっていますか？（二義を許さないのが重要です）

・当事者、契約締結権者の確認

→契約が誰と誰の間のものか明確になっていますか？

・別紙等がある場合の別紙等の添付の有無

・日付（バックデートは信頼関係を損なう基になりがちですし、紛争解決のための証拠としての機能が著しく低下します）

 

２　実質的観点から

・要件事実の把握

→各条項の「要件」と「効果」は明確になっていますか？

・当事者が「やりたいこと」がきちんと規定されていますか？

・当事者が「やりたいことができない場合」の手当ては規定されていますか？

・当事者の権利は守られていますか？

・実務上・運用上の手当てはされていますか？

・強行規定と任意規定の識別

→強行規定違反になっている規定はありませんか？